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国境の花     尾籠都志男(所属など不詳)

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わたしたちは二百米のかなたにも
屍を嗅ぎだす
いかりとにくしみの的となって
がっき と虚をつかみ
くろずんで 悪臭にまみれる


うごきあるものの
たくましさよ美しさよ
にくむことのできる
愛することのできる
いのちあるものの
かがやかしさよ 陰うつさよ


ここに燦然たるものがある
無機にかえって虚飾をはらい
石くれと座をつらね
草に交じり 耳をもたず
修羅をふくんで 風物にひそむ
野ざらしの末はなくとも
戦の場に 愛憎こらして
崇高をとどむるもの
しゃれこうべ


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汗と土にまみれ続けて来た行軍だ

急に小休止の命令が下って
無言のまま
汗をふきつつ腰をおろしたとき
いい知れぬ
ほのかな香りに接した


花!
瞬間足の痛みも 空腹も 暑さも
国境に咲く花一つに
すべてを
忘れていた


8月4日

ムクゲ(木槿・無窮花)

アオイ科フヨウ属
原産地 中国・インド
花期 7月〜9月 色はピンク、白、紫など
別名 キハチス
古くに日本に伝わり、薬用として用いられました。江戸時代には観賞用として広く普及しました。花は一重、半八重、八重などがあります。

死はそこに抗(あらが)ひがたく立つゆゑに
生きてゐる一日一日はいづみ

                   上田三四二

「無名兵士の詩集」より

大阪万博記念公園にて

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へきれき抄(七)   久須耕造