乗船するとき
一金二円五拾銭也 と札がついて
みかん
バナナ
りんご
――と美しくつまっている籠を二個
せわしく帯の紐をはずして
結びつけてくれた母……
青い帯紐


私は
高い胸つく舷側のはしごを
果物籠二個を
ふりわけにかついでのぼった


○○月――

私は 今日も
せっけん
ふんどし
たおる
ちりがみ
はぶらし
はみがきこ
……私の きりつめた世帯道具を
青い帯紐でしめて
しっかり からだにつけた


どこへでも
さあ――


私は 軍靴を踏み鳴らしながら
戦友の誰かが
私の小さな 白木の箱を
この紐で
くくって帰ってくれることを考えた
そうして
小さい声を出して呼んでみた
″オカアサン――



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「無名兵士の詩集」より

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8月3日

ツユクサ(露草)

ツユクサ科ツユクサ属
原産地 日本全国に自生 アジア・北米など
花期 6月〜9月 白花もある
別名 ツキクサ アオバナ ホタルグサなど
 日本のどこでも路傍や草原、林のへりなどで見かける雑草です。古代から染料や薬草として用いられ、馴染み深い草です。
 「ほたる草」とは昔からの別名ですが、童謡や俳句、書名などによく使われています。

高原の明けゆく空のむらさきを
とどめて咲ける露くさの花

                 窪田空穂

7月30日 服部緑化植物園にて

アオバナ(青花)

青い染料をつくるために、ツユクサの変種で特別に花が大きい栽培種が、古くから日本各地で栽培されました。現在も友禅染の下書き用として使われています。アオバナの栽培地は滋賀県の草津市の数軒の農家が今もしています。


8月2日  草津市水の森水生植物園にて

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あおい おびひも   毛利狂平
              (南支派遣軍津田部隊)