まあここへ腰をおろしましょう
疲れましたか
ここが針ノ木岳の頂上です
水ですか ぼくはあとで貰います
この光る真夏の天の清冽
ぼくたちはもうその中いるのです
しいいいんとしているこの筒抜けの深さ
何だか懐かしいような気がしませんか
七弦琴と竪琴が奏でている
これが天体の大音楽かもしれない

あそこの左 そいだように平らなところ
ええ 雪がところどころ残っているあそこ
あれが五色ヶ原
きっと黒百合が伝説風の顔して咲いている
明日の朝は早くこの黒部の谷を越えて
日暮れまでに辿りつきましよう
小屋にスキーがあったら滑れます

それから 赤く荒れた浄土を越えて
正面ののびのびと大きいのが立山です
その右の黒い岩峰の群れ
あれが剣岳
あそこまで遥かな山旅ですが
ゆっくり歩いて行きましよう

岩魚を食べ 雷鳥を見て
雛をつれて偃松(はいまつ)のある岩尾根にいます
寒ければ上着を着たら……
何を考えているの
ちょっとこっちを向いてみて
今日一日でほんとうに日に焼けましたね

今こうして連なる峰々を見ていると
夢の中の憩いのようでもあるけれど
こんな山肌を見たことや
淋しい谷を霧に濡れて歩いたことが
あなたをやわらかく救う時があるでしょう
取りつきようのない寂しさの中を
蟻になった気持ちで歩いたことが
あなたを元気づけることがあるでしょう

天へ飛び立って行くような歓喜と
永遠なものに包まれてしまった哀愁と
それが儚い人間には必要なのです
冷たい水もう一杯のみますか


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コオニユリ(小鬼百合)     京都府立植物園

キヒラドユリ(黄平戸百合) 原産地:長崎県平戸島 コオニユリの黄花変種 

ヤエオニユリ(八重鬼百合)   園芸品種   大阪府花の文化園


オウゴンオニユリ(黄金鬼百合) オオオニユリの変種で、キヒラドユリより黄色がうすく
                     ムカゴができること       大阪府花の文化園 


オウゴンオニユリ

黄金鬼百合

黄金オニユリ

7月28日

オオオニユリ(大鬼百合) コオニユリとの違いは大型で茎と葉の境目に黒いムカゴ(肉芽)
                 ができること                 六甲高山植物園

オニユリ(鬼百合)

ユリ科ユリ属カノコユリ亜属
原産地 中国 黄金オニユリは対馬
別名 テンガイソウ(天蓋草)
花期 7月〜8月上旬
古くに食用として朝鮮半島を経由して伝わったものとと考えられています。それが半ば野生化して人里近くに自生しています。オニユリは根茎を食用とするユリの中で一番味が良く、いまでもコオニユリが食用で栽培されています。

山 頂      串田孫一

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自然がずんずん 体の中を
通過する―― 山、山、山

                前田夕暮