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夫に離別され、子供に裏切られ借金の山を背負わされ、自身は病苦で貧困にあえいだ、
薄倖の詩人「竹内てるよ」の生涯は、その自伝・詩集「海のオルゴール」に詳しい。
 そのような塗炭の苦しみを味わったにもかかわらず彼女の魂は穢れることなく美しく輝き続けたことは、その詩が現しています。
 代表作「海のオルゴール」は(2)の部分が版画の巨匠、棟方志功によって彫られ、有名になりました。

海のオルゴール      竹内てるよ

写真はクリックすると1024×768ピクセルの壁紙サイズの画像がでます


7月27日

ある日あるときある人が
海へオルゴールをすてました
いくとせもいくとせも
オルゴールは海の底にいました

あるとき子供の人魚がおいたに
            ふたをあけました
シャンペンいろの月のある
うたのきこえる海の底
ききなれぬ人の世のうたをきいて
人魚は女になりました

冷たく白い乳房に 玉藻はからむ
人魚は人を恋いながら
その苦しみに舞いながら
どうしてもふたを
とじることが出来ないのです

波よお前 オルゴールのふたをとじよ
このままでは このままでは
人魚は恋に死ぬでしょう

ルリマツリ(瑠璃茉莉)

とおい昔に 私は
オルゴールを海に沈めました
ふたの内側に 蘭の花を入れて

オルゴールは 海の底で
その鍵はさび ふたを永久に開かず
波にかしがっているのでしょう

私はその曲を忘れてはおりません
いつ どなたがおたずねになっても

そうです 月の美しい夜
ひそかに その曲は 鳴るからです

小さい魚たちはそのまわりをとりまき
海草が たわむれにからだをよせ合い
蘭の花は 枯れずに 香り
そして こよなき私の曲はうたいます

強く かみ割った果実の種のように
ほのかに 忘れようとする遠い戦慄
月の美しい夜
私のオルゴールは 鳴るのです

くりかえし 更に 新しく――

とおい昔に 私は
オルゴールを 海に沈めました
ふたの内側に 蘭の花を入れて

ルリマツリ 服部緑化植物園にて

イソマツ科プルンパゴ属
原産地 南アフリカ
花期 6月〜10月 花色 青、白
名前は花の形がジャスミン(茉莉花)に似ているため。暑い季節に空色の花が咲くので、人気があります。垣根や門に這わせたり、ベランダから垂らしているのを良く見かけます。また近縁種に花の形や色がよく似たルリマツリモドキがありますが、やや濃い青の花弁にシワがあるので判別できます。またブータンルリマツリは濃い青色で花弁にシワがあります。


白鳥(しらとりは)は哀しからずや
   空の青海のあをにも染まずただよふ

                    若山牧水

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(一)

(二)