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10月29日

ブルーキャッツアイ

ゴマノハグサ科オタカンサス属
原産地 ブラジルなど南米
花期間 露地植9月〜11月 
別名 オタカンサス
最近は室内や温室では通年と言ってよいほど良く見かける花です。鮮やかな青と中心の白が目立つ人気の花です。



深くかつ遠く思わん天地の
    なかの小さき星に生まれて

                  湯川秀樹

              ( 前略 )

するとどこかで、ふしぎな声が、
銀河ステーション、
銀河ステーションと言う声がしたと思うと、
いきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、
まるで億万の蛍烏賊(ほたるいか)の火を一ぺんに化石させて
そらじゅうに沈めたというぐあい、
またダイアモンド会社で、ねだんがやすくならないために、
わざと穫れないふりをして、かくしておいた金剛石を、
誰かがいきなりひっくりかえして、ばらまいたというふうに、
眼の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは、
おもわず眼をこすってしまいました。

気がついてみると、さっきから、ごとごとごとごと、
ジョバンニの乗っている小さな列車がはしりつづけているのでした。
ほんとうにジョバンニは、夜の軽便鉄道の、
小さな黄いろの電燈のならんだ車室に、
窓から外を見ながらすわっていたのです。
車室の中は、青い天鵞絨(ビロード)を張った腰掛けが、
まるでがらあきで、向こうの鼠いろのワニスを塗った壁には、
真鍮(しんちゅう)の大きなぼたんが二つ光っているのでした。

              ( 中略 )


そして、カムパネルラは、まるい板のようになった地図を、
しきりにぐるぐるまわして見ていました。
まったく、その中に、白くあらわされた天の川の左の岸に沿って
一条の鉄道線路が、南へ南へとたどって行くのでした。
そしてその地図の立派なことは、夜のようにまっ黒な盤の上に、
一々の停車場や三角標、泉水や森が、青や橙(だいだい)や緑や、
うつくしい光でちりばめられてありました。

ジョバンニはなんだかその地図をどこかで見たようにおもいました。
「この地図はどこで買ったの。黒曜石でできてるねえ」
ジョバンニが言いました。
「銀河ステーションで、もらったんだ。君もらわなかったの」
「ああ、ぼく銀河ステーションを通ったろうか。
 いまぼくたちのいるとこ、ここだろう」
ジョバンニは、白鳥と書いてある停車場のしるしの、すぐ北を指しました。
「そうだ。おや、あの河原は月夜だろうか」
そっちを見ますと、青白く光る銀河の岸に、銀いろの空のすすきが、
もうまるでいちめん、風にさらさらさらさら、
ゆられてうごいて、波を立てているのでした。

「月夜でないよ。銀河だから光るんだよ」 ジョバンニは言いながら、

まるではね上がりたいくらい愉快になって、
足をこつこつ鳴らし、窓から顔を出して、
高く高く星めぐりの口笛を吹きながら一生けん命延びあがって、
その天の川の水を、見きわめようとしましたが、
はじめはどうしてもそれが、はっきりしませんでした。
けれどもだんだん気をつけて見ると、そのきれいな水は、
ガラスよりも水素よりもすきとおって、ときどき眼のかげんか、
ちらちら紫いろのこまかな波をたてたり、
虹のようにぎらっと光ったりしながら、声もなくどんどん流れて行き、
野原にはあっちにもこっちにも、燐光の三角標が、
美しく立っていたのです。

              ( 後略 )

10月15日 兵庫フラワーセンターにて

銀河鉄道の夜    宮沢賢治

 六 銀河ステーション(一部抜粋)